あきない世傳 金と銀
高田郁の「あきない世傳 金と銀」の感想です。メモなので多少のネタバレありますが、ネタバレを読んでも楽しめるタイプの本だと思うので悪しからず。
主人公の幸は、津門村(つとむら)の凌雲堂(りょううんどう)の娘である。凌雲堂は塾のような場所である。父の重辰(しげたつ)と兄の雅由(まさよし)の死をきっかけに大坂の五鈴屋(いすずや)に女衆として奉公に出される。
金と銀は、摂津の暴れ川の武庫川の夕日が綺麗な日の空が金色で川面が銀色に見えるのを雅由が幸に教えた色である。
あと1731年の享保の大飢饉が重なり、奉公に出されることになる。江戸の中期はこれ以降景気が悪くなり、物が売れない時代が続くとされている。バブルが弾けたあとの様なものと。
享保の大飢饉は、イナゴやウンカといった虫が大量発生して稲作を食い尽くしたと言われてます。
五鈴屋は2代目の女将である富久(ふく)と番頭の治兵衛(じへえ)と3代目が亡くなっており、4代目徳兵衛と次男の惣次(そうじ)と三男の智蔵(ともぞう)とそれと女衆のお竹とお梅が主な登場人物。紅屋多聞(べにやたもん)の菊栄(きくえ)が徳兵衛の嫁にくる。
治兵衛が頭のキレる番頭で、早い段階で幸の商いの才能に気づき始める。智蔵は読書家で商いに興味がなく、惣次は商いの才能があり、問題の徳兵衛が遊郭通いで五鈴屋のみんなを悩ませる。
高田郁の歴史小説はとにかく読みやすいです。歴史的な知識が無くてもなんとか読めるし、江戸時代の生きる厳しさを感じながらも、とても優しい気持ちを持つ主人公を描いてくれます。
他の作品も読んでみたいですし、この「あきない世傳 金と銀」ももう三作目まで出てるみたいなので、続きも読みたいも思います。
以上「あきない世傳 金と銀」のまとめでした。