純平、考え直せ
奥田英朗の「純平、考え直せ」の感想です。自分の思い出すとき用のメモでもあるから、少々ネタバレ気味なので、まっさらの状態で読みたい方は読まないでください。一気読みし易いので、お先にお読み下さい。
歌舞伎町でヤクザの下っぱをしてる純平のお話。純平は早田組の下っぱで、兄貴分には北島という男がいる。
簡単にいうと、ある日純平は早田組の親分に「鉄砲玉になってくれないか?」と頼まれる。男をあげるために純平は引き受ける。鉄砲玉とはターゲットである他の組の親分を殺すこと。その後自首して、10年ほど刑務所に入る事までが鉄砲玉の仕事である。全ては組のために。
純平は引き受けてから、親分に鉄砲玉になる日までの間のお小遣いを貰い、娑婆にいれる間に普段食べれないものや、泊まったことのないホテルなど、贅沢に過ごす。そんな中で今まで北島の下っぱとして生きてきた中では知り合いなど全然できなかったが、この3日間の間に色んな出会いをする。
それともう1つこの話の特徴が、純平が途中で知り合う女性(加奈)が、純平の鉄砲玉の話を知り、2ちゃんねる的なサイトに純平が鉄砲玉になるのを止めるにはどうしたらいいか?的な質問をして、ネット住民たちがそれにたくさんコメントする。そのサイトは純平も観ることができて、話の中でちょこちょこそのサイトのコメントも出てくる。そのコメントが物語に左右するのかしないのかもリアルな気もする。
結論をいうと
純平は考え直さない。
ネットで感想みると賛否両論だった。
もっと面白い話になりそうな気もするが、これがリアルなのかなとも思う。奥田英朗節と云えば、それでおさまることかも。
でもタイトルのインパクトと読み応えから、どんな終わり方するのかは期待してしまう作品なだけに、どうしても味気なく感じてしまいました。才能があるが故のことなのでしょうか、、、
個人的に昔読んだ奥田英朗の作品で好きなのは「ララピポ」や「空中ブランコ」のシリーズです。特にララピポなど、1つの物語を複数の目線で観せていく群像劇という手法が好きなので、個人的に好みです。
久々に奥田英朗の本を読んだのですが、読み易さや、登場人物のキャラクターの良さは流石ですね。
以上「純平、考え直せ」のまとめでした。