この世界の片隅に
今更ながら「この世界の片隅に」のことを書こうと思います。ネタバレもありますのであしからず。そこまでのネタバレは今回は無いです。
今や記録的な大ヒットとなっている「この世界の片隅に」なのですが、2016年の邦画大豊作の中で「君の名は」や「シンゴジラ」などの内容も動員数も記録的なヒット作を抑えて、間違いなく断トツで一番の仕上がりだったのではないかと思います。
映画といっても作風が違うので、完全に比べることができないので優劣をつけるのもナンセンスなのかと思いますが「この世界の片隅に」は数年に一度の大作なのではないでしょうか。
日本人として絶対に観ておくべき作品でありますし、戦争アニメ映画って言われて一番すぐに思い付くスタジオジブリの「火垂るの墓」を上回る作品なのではないでしょうか。
片渕須直監督もすごいのですが、この作品はとにかくまず原作のこうの史代さんが凄すぎる。
こうの史代さんは戦争映画を悲しみだけで表現せず、ただ日々を生きる姿を描くことによってより戦争の痛みを色濃く表現している。片渕須直監督はこのこうの史代さんの原作をすごくキレイにまとめてくれました。映画化は原作を超えれないことが普通なのに、ここまで原作を大切にしてくれたことに作品への愛が感じられますね。
声優ののんさんも素晴らしい。まとまってる記事見つけたので貼っておきます。
映画「この世界の片隅に」 こめられた思い|特集ダイジェスト|NHKニュース おはよう日本
とにかく次々と伝説を作ってる「この世界の片隅に」クラウドファンドに始まり、上映館数の1ヶ月での増加、キネマ旬報トトロ以来のアニメでの一位、日本アカデミー大賞アニメーション部門一位と快進撃がすごい。
「君の名は」を破りましたが、当時は良い作品だけど内容的にアカデミー大賞にノミネートされないんじゃないかとも言われてました。
この時代にこの様な映画がここまでヒットすることはとても素晴らしいことです。映画館の上映で最後に拍手が起こることが多々あるようです。
人気作品になるともちろんアンチも増えてネットやツイッターなどにも「面白くない」などと書いてる人もいましたが、そんなアンチのことをこうツイートしてる人がいました。「この世界の片隅にを面白くないと言ってる人がちらほらいるけど、具体的に何が面白くないかほとんど書いてない人ばかりだった。何が面白くないかも書かないようなやつしか批判してない。」悲しいですよね。この作品は素直に観ましょう。
最後にこうの史代さんの他のオススメ作品を紹介して終わります。
「夕凪の街 桜の国」は「この世界の片隅に」が良いと思えれば必ず読めます。映画化もされてるのですが、こちらも素晴らしい名作。
「長い道」は戦争とは関係ない男女のふんわりした恋愛漫画のようなものなのですが、こちらもオススメです。こうの史代さんの作品に共通する僕の感想が、とにかく主人公の女性が優しく明るいのにどこかしら悲しさが滲む、絵のタッチも含めなぜか明るさの中に悲しみを感じてしまうがそれが主人公の女性の味に繋がっています。これはこうの史代さんにしか書けないタッチだと思います。
以上「この世界の片隅に」のまとめでした。