影法師
百田尚樹の「影法師」の感想。自分の思い出しす用なので、ネタバレも含みますのであしからず。
江戸時代のお侍さんの話ですね。幼少期から縁があって知り合いの勘一と彦四郎は、2人とも剣の腕がありお互い認め合う仲である。彦四郎が家柄も良く秀才なタイプで、勘一は家は貧しく親も失ったらしているが一つの事をとことん突き詰めるタイプ。HUNTER×HUNTERだとまさにキルアとゴンの様な感じ。
時代小説なので、所々詳しくないとわからない表現や言葉がありますが、読み易さが抜群の百田尚樹の良さで、わからなくても本筋は読めます。わからないことを飛ばして読むのが苦手な人は引っ掛かるかもしれませんが、気にしなければザックリ読んでも楽しめます。
特に最後の方はちゃんと楽しめますし、強いやつの表現が、漫画を読んでるかの様な書き方なので、強さの想像がしやすく、より剣の達人がかっこよく読めます。
彦四郎がみねを勘一の嫁になるように兄に話をつけたり、勘一の知らないところで何度も勘一を助けてたり。自分はどんどん落ちていくが、実は誰よりも武士道があり、誰よりも男だったと徐々にわかっていく書き方がとても上手です。百田尚樹の良さがキャラクターに見事にのっかってますね。
昔の方は悪いやつもいたら、この様なまっすぐな人もたくさんいたんでしょうね。
そう思える一冊。
あとこの本の最後に袋とじがあり、そこに4、5ページ程のその後の話が書かれていて、そちらもとても良いです。
みねは彦次郎の家の下女で、彦次郎のことがきっと好きだったが、勘一が一目惚れして、彦次郎に相談して、彦次郎は勘一とみねを結ばせる。みな側の気持ちも最後の袋とじでわかります。
袋とじを文庫につけるのって良い意味でも悪い意味でも斬新ですよね。笑
以上「影法師」のまとめでした。